アンティークオルガンのレストモッド

ベルオルガン&ピアノカンパニー製のリードオルガンのレストア以来です。

カナダの楽器メーカーでしたが、1888年にイギリスに買収され、オルガンの製作は20世紀初頭までとのこと。
1900年前後に作られた個体で間違いなさそうです。
デザインもエドワーディアン(1901〜1910)のミラーバックサイドボードの様です。
世界中の要人達に愛用されていたそうで、同社の商品は日本の皇室でも利用されていたんだとか。
以前こちらで取り上げたフォルテピアノ→(ブログ) と同様、オリジナルの楽器としての修復よりも安定感マストということで、市販の楽器を仕込んで電気楽器化します。
ちなみに旧車界隈では古いボディに現代のシステムをビルトインした、見た目はクラシックカー、性能は最新というレストア方法を、”レストモッド”と言うそうですが同じ発想です。
オリジナルの鍵盤とふいごは撤去。
鍵盤はいつも通り任意の高さに棚板を設置し固定。
鍵盤の上にはお役御免となったストップのパネルを隙間隠しに使用し、1番右のストップは新規で取り付けた譜面台を照らす照明のスイッチになっています。
電気配線の1式は鍵盤の裏にまとめてあります。
背板はメンテナンスの為に1部開閉できるよう新規で製作し直しました。

足踏みペダルはふいごを使う必要が無いので演奏し易い様に高さを調整しつつフラットに加工。
オリジナルではサスティン機能はありませんでしたがフットスイッチをペダルに固定。
今回はスピーカーを外部に設置する前提で諸々デザインしていましたが、スピーカーの化粧ボックスを製作している過程で、演奏用のスツールにちょうど良いサイズなのでは?ということから急遽用途変更。



補強と取り外し式の座面を製作して、世にも珍妙な演奏者の背面側から音の出るスツールとなりました。
座面を取り外すとスピーカー上部のコントロールが操作できるようになっています。
マイクや楽器を増設することもできます。
こちらは以前キヤアンティークスでリニューアルのお手伝いをした戸塚区の「久右衛門邸」敷地内のチャペルに納品させていただきました。→(ブログ)

大空間ですので、必要に応じて外部スピーカーなどで拡張しても良いかも知れませんね。
生産国:イギリス
年代 :材質 :ウォルナット 他
本体サイズ W:1235 D:600 H: 1900
鍵盤高:820
キーボード:ローランド GO:KEYS3
スピーカー:ローランド KC200×1
ペダル :ヤマハ FC5×1
今回は作業開始前に写真を押さえました。
BeforeAfterをご確認下さい。

Before

After
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