教会の聖壇
19世紀以前、イギリスの教会で使われていた部材を組み合わせて古民家レストランに併設された教会の聖壇を作らせて頂きました。
重量級のオークゴシックパネルの3段スタック+アルファ。
幅3.3メートル高さは5メートルを超える超大型装飾です。
万が一崩れると大事故になるので組み付け強度と施工時の安全性には特に気を使いました。
それぞれイギリス製のアンティークで18〜19世紀から教会で使われていたゴシック彫刻の部材です。
オーク材という共通点以外は色もデザインも微妙にバラバラ。
造られた時期や地方もまちまちなのでしょう。
取ってつけた感は避けたいので、今回は塗装でいかにこの辺りの質感を揃えるのかがキモとなりました。
大物なので仕事が大雑把にならない様にも注意です。
ひとつの作業を全体に施すまでにやたらと時間が掛かります。
レストア作業はとにかく時間との戦いです。
上部には両サイドに2人づつ4人の聖人の肖像画。
センターにはこれまた聖人の絵付けがされたステンドグラス。
エナメルの他にガラス七宝で色付けされた珍しいガラスが使われています。
薄いボックスを製作しLEDを仕込み、将来メンテナンス出来るように額は扉にとして開閉可能です。
日中は逆光になるのでセオリーより少し明るいイメージで器具を選定しました。
聖壇の更に上、殆んど天井なんですが、3枚セットで半円状になるステンドグラスを2セット、左右に90度倒した状態で切妻の最上部に設置。
ステンドグラスの枠はロートアイロンで製作。
日中は西向きの窓から自然光を通し、エナメルで薄めに絵付けされた紫陽花のデザインが自然豊かな里山のロケーションに良く似合っています。
敷地内にあるレストランとは別棟のカフェを休憩に使わせて頂きました。
どれも絶品。
居心地も良くついつい長居してしまいました。
久右衛門邸はこちら→https://kyuemon.jp/
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